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第3の性とよばれている「ノンバイナリー」。シンガー・ソングライターの宇多田ヒカルが、6月26日夜のインスタグラム生配信で自身が「ノンバイナリー」であることをカミングアウトされ、SNSではノンバイナリーという言葉がトレンド入りしました。
この記事では、ノンバイナリーとはなにか、シスジェンダーやトランスジェンダーとの違いを紹介していきます。
ノンバイナリーとは?
日本では、聞きなれない言葉ですね。まずは、バイナリーの意味から調べてみました。
バイナリー(binary)とは「二つの要素で構成されているもの」をという意味の言葉で、性別を男性か女性の二択のみの生物的性で分類する考え方をジェンダーバイナリー(gender binary)といいます。
反対に性別を男女のどちらか一方に限定しない立場を取る人で、自分の性認識を男性とか女性とかの2つ枠組みにあてはめようとしない考え方をノンバイナリーといいます。
LGBT法案が国会でも取り上げられるようになり、生物学的な男女の性区別「ジェンダー」の多様性が認められるようになってきましたが、いまだに理解されていない部分があります。
6月は「プライド月間(Pride Month)」といって、世界のLGBTQコミュニティーが団結し、自分自身らしくいる自由を祝う月です。
最近では企業や自治体でも活動やキャンペーンを行うなど広がってきています。
シスジェンダーとは?
「性の多様性」と「性のアイデンティティ」のLGBTの言葉は広く知られてくるようになりました。
LGBTは「セクシュアルマイノリティの総称」で4つのセクシュアリティの頭文字を組み合わせた言葉です。
まずは、シスジェンダーから説明します。
シスジェンダー(Cisgender)とは、性自認(自分の性をどのように認識しているか)と出生時の診断された性別が一致している人のことをいいます。
- 出生時の体が男性として診断、自身も男性だと思っている人(シスジェンダー男性)
- 出生時の体が女性として診断、自身も女性だと思っている人(シスジェンダー女性)
シスジェンダーはトランスジェンダー(主に性自認と身体的性が一致していない人)の対義語として生まれた言葉です。
シスジェンダーとトランスジェンダーの違いはわかりましたね。
性自認が女性で、性的指向が女性に向いているセクシュアリティ
性自認が男性で、性的指向が男性に向いているセクシュアリティ
性的指向が男性・女性の両性に向いているセクシュアリティ
身体的性と性自認が一致していなく、それを違和感に感じているセクシュアリティ
※性自認:自らがどのような性と自認しているのか、という要素
※性的指向:どのような性別の人に恋愛感情や性的感情を抱くか、といった要素
※身体的性:生まれながらに決められている性
LGBTはなんとなくわかったと思いますが、もう少し詳しく説明をします。
ノンバイナリーとトランスジェンダーの違いは?
身体的性と性自認が一致していなく、それを違和感に感じているノンバイナリーとトランスジェンダーはどう違いがあるんでしょう?
トランスジェンダーは、身体的性と自認が違い、どちらか逆の性を強く認識している人が多いですが、ノンバイナリーは自分の性認識を男性とか女性とかの定義していないです。
「あなたはなんにでもなれる」と髪型はショートヘアが基本でウイッグでロングヘアにもできます。
長すぎないまつ毛、ほどほどの厚さの唇、広すぎないあご、張りすぎない肩、フラットな胸で男性でも女性でもない「自分」になれます。
ノンバイナリーをカミングアウトした有名人
「ミス・ミセス・ミズ」のどれかを選ばなきゃいけないこと、
自分の婚姻状態や性別を前面に押し出す呼ばれ方に違和感を感じると自身のインスタグラムでカミングアウトし「ノンバイナリー」という言葉が話題になりました。
ノンバイナリージェンダーのノア・カルロスは、自身のファッションで「ジェンダー・フルイディティ(Gender Fluidity)」、つまり性の流動性を表現している。モデルの仕事ではウィメンズファッションにこだわるわけではなく、オファーがあればメンズファッションも着こなし、ファッション業界のジェンダー多様性を牽引している。
vogue
モデルさんだけに、細い!
痩せすぎが心配になるほど細いですが、メンズファッションも似合いそうですね。
ジェンダー・アイデンティティー(性自認)が男性でも女性でもないノンバイナリーだと公言しています。
サム・スミスは以前より「ゲイ」であることを公表していましたが、ノンバイナリーでもあるということですね。
イギリスのシンガーソングライター、サム・スミスさんが、自分はジェンダー・アイデンティティー(性自認)が男性でも女性でもないノンバイナリーだと公言した。「女性のような気持ちになることがある」ことや、性転換を考えたこともあるという。
BBC
(CNN) 米人気歌手デミ・ロヴァートさんが動画とツイートを通し、自身の性認識が男女どちらにも当てはまらない「ノンバイナリー」であることを明かした。
CNN
ノンバイナリーは日本では Xジェンダー?
英語圏では、1980年代には男女二元論におさまらない性同一性を
「Gender queer(ジェンダークィア)」あるいは「Third gender(第三の性)」といっていました。
日本では1990年代後半に、同じ意味の言葉としてXジェンダーという言葉が使われはじめました。
それが世界的に2010年代以降に「Non-binary gender(ノンバイナリジェンダー)」が近い言葉にあたるといわれるようになりました。
中性 :自分自身を男性と女性の中間であると認識する人の性自認のこと
両性: 自分自身を男性でも女性でもあると認識する人の性自認のこと
無性 :自分自身を男性とも女性とも、男性と女性の中間とも、男性と女性の両方とも認識しない性自認のこと
不定性 :ある特定の2つの性の間で自認する性が揺れ動く人の性自認のこと
江戸時代、成人を示すものとして行われた儀式である元服前の若者は、時には若衆として女性の装いもしていました。
若衆と成人男性の関係は男色と呼ばれてその光景はごく日常でした。
若衆は元服後、ほとんどの場合は成年男性の役になり、先輩後輩の年功序列の関係を反映していたんですね。
まとめ
ノンバイナリー自分の性認識が男女という性別のどちらにもはっきりと当てはまらない。
たとえば「女に生まれたけど自分は男と女どちらの時もある」など、性別を男性か女性かで固定しない。
国内外で有名人など個人が性に対するカミングアウトもする人がたくさん出てきています。
ノンバイナリーという考えも知っておきたいですね。